最近、保育の写真記録や保育ドキュメンテーションに関する研修会の依頼が倍増しています。
保育現場でも写真を撮る機会、保育ドキュメンテーションを作成する頻度が高くなっているのだと思います。
そんなセミナーにおいて、保育者の方々からよく質問を受けます。
今日はその質問のなかから、よくある質問をまとめ、回答・解説していきたいと思います!
保育士向け写真お悩み相談室~よくある質問集~
毎回、全員が写っていた方がいいのですか。(欠席の子以外)
えがお先生の解説:毎回でなくて大丈夫です。「2週間に一度」「月に一度」は全員登場する等、 ルールを設けてもいいと思います。
(※大切なのは作成する頻度です)
保育ドキュメンテーションは写真の説明(吹き出し)を必ず付けた方がいいですか
えがお先生の解説:保育者の解説、子どもの声(=吹き出し)を付けることをおすすめします。
注目を集める掲示の仕方
保育ドキュメンテーションを掲示する際に、どんな掲示方法ならば、保護者の注目を集められるかについて、質問がありました。
えがお先生の解説:子どもの目線で掲示するのはいかがでしょう。それによって、今日保育中に起きたエピソードを子ども自身が話すというきっかけづくりに繋がります。
また、製作物等の作品と一緒に掲示するのはいかがでしょう。それによって製作者(子ども)がどんな風に・どんな思いで作ったのかというプロセスが伝わってくると思います。
その他にも、絵本や収穫物など、現物と一緒に保育ドキュメンテーションを掲示するのも注目を集めていいですよ。
写真データや保育ドキュメンテーションの保管、処分方法
写真の取り扱いについても考えないといけない時代になりました。
えがお先生の解説:クラス担任が事務所パソコンの内臓ディスクに写真を入れる
(※その際、元データは削除)→1か月ごと(月初め)にハードディスク等にバックアップしていきます。
ここで注意点はUSBやSDカードにずっと置いておくという状態は避けましょう。またバックアップは2か所以上取っておくことをルールとしましょう。
クラスの子どもたちが、満遍なく写真に載る配慮は重要なのでしょうか?
大切だと思います。ただ、1枚の保育ドキュメンテーションで満遍なくは無理が生じてしまいます。
(1ヵ月・2か月・季節)に1回は全員登場する等、目標を決めて、取り組んでみてはいかがでしょうか。
毎日出せないとしたら、どれくらいの間隔で掲示するか
週に1回、いかがでしょうか。やはり保育ドキュメンテーションの作成の頻度は多い方がいいです。
たとえば作成時間を20分以内というルールにしておくことで、週1回以上という目標達成に近づけると思います。
せっかく良い写真でも、顔、頭が切れていたり、半目になったり、下着が映ってしまったりする。使って良いものか悩む。
このようなケースでは極力、写真を使わないもしくはトリミングして使うというのがいいと思います。撮る側の配慮が大切になってきますね。
また撮る際に、いくつかのアングル(=撮る場所)を変えて記録していくのが望ましいです。
意識的に撮ることができれば、もっと保育ドキュメンテーションは作りやすくなりますよ!
乳児のドキュメンテーションの伝え方。(特に0・1 歳児は言葉を発しないので子どもの思っていることが伝えづらいです)
吹き出しの種類を変えることで、保育者が言っていることなのか、子どもの心も声を代弁しているのか、そういった情報が整理されます。
また保育ドキュメンテーションにおける文面の書き方ですが、下記のように書くと効果的です。
- 一文の文字数は40~60文字まで
- 5W1Hで簡潔に
- 子どもの名前を
- 主語にする
- ~ing形で書く
-
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その日の活動をその日のうちにドキュメントにしたいのですが、なかなか時間が取れません。数日以内に掲示するのはあまりよくないでしょうか
こういったケースでは、後日作成するからこそのエピソードを付け加えることをおすすめします。時間が経過したからこそのエピソード(発展・展開)を書くことによって、エピソードに広がりが出てきます。
「写真撮るよ」と声を掛けなくても、カメラを向けるとカメラ目線になってしまったり、ピースサインをしてくれる子の自然な姿を撮るアドバイスを頂ければと思います。
まず、保育者が意識するべきは、保育中に流れている空気のまま、写真を撮るということ。どうしても写真を撮ろうとすると、意気込んでしまって、子どもを構えさせてしまったり、ピースサインの写真ばかりになってしまいがち。
なので、写真を撮る時には「自然な空気をつくる」ことを意識してみましょう。
そこで、3つのながら撮影を提案します。。笑顔を見せながら、しゃべりながら、あそびながら写真を撮ることを意味します。
すると子ども本来の姿・表情を引き出すことに繋がりますよ。
頻度についてどの程度更新すると効果的なのか。(頻度を多くしたいが時間が取れず、なかなか更新できない現状があります。 )
更新頻度は多い方がいいですが、先ほども述べたように、週に一回を目標にしてみてはいかがでしょうか。
また、子どもの登場頻度(回数)も大切です。ただ、1枚の保育ドキュメンテーションで満遍なくは無理が生じてしまいます。
(1ヵ月・2か月・季節)に1回は全員登場する等、目標を決めて、取り組んでみてはいかがでしょうか。
子ども達を撮影する際、動きが速いとブレてしまう。どうしたら、動きのある子ども達の楽しそうな様子を撮影することができるのか、コツやポイントがあれば 教えてほしい。
このお悩みは非常に多いです!まず、写真がブレる原因ですが、光量の不足によって、シャッタースピードが低下してしまっていること。
そこで、解決方法を3つ解説いたします。
まずは撮影者(=保育者)が脇をしめて、カメラを動かさずに撮影すること。上の写真のように、左手(=利き手ではないほうの手)をカメラの下に支えるように添えます⇒脇をしめる⇒カメラを動かさずにシャッターを押す
という流れで実践してみましょう。写真のブレを防ぐためには、まずはしっかりと動かさずに撮ることを心がけましょう。
次に、ISOの数値を高くしてみましょう。コンパクトデジタルカメラを使っている場合、簡単に操作・設定が可能です。
ISOの数値を高くすることで、液晶画面(=写真)も明るくなり、シャッタースピードも速くなります。そうすると、ブレにくい写真になるんです。
最後に、「明るい場所で撮る」ことを意識してみてください。明るい場所で撮るほどに、カメラが自動でシャッタースピードを調整し、ブレない写真(※シャッタースピードが速くなるため)を撮ることに繋がりますよ。
自然光が入らない所で顔色を明るく撮るコツがあれば教えてほしい。
写真が暗くなるのは、被写体の明るさが暗い状態になってしまっていることが主な原因です。
なのでカメラの設定で明るさをコントロールしましょう。
先ほども述べたように、ISOの数値を高くするのが望ましいです。室内ならばISOを800に設定して、撮影してみてください。被写体が明るく写り、写真全体もパッと明るい印象になるはずです。
次に、露出補正のボタンを押して、+1.0にしてみましょう。そうすることで、明るさが補正され、写真全体も明るくなります。
タブレットやスマートフォンをお使いの場合は、液晶画面をタップすると、☀のマークが表示されます。そちらを指で上に操作することで、写真の明るさを変更することができます。
何枚か写真を撮った時に、厳選できずに悩んでいる。
こちらもよくあるお悩みです。こういった場合、写真選びの基準を自分の中で作っておくことがおすすめです。
まず、不要な写真は削除しましょう。不要な写真とはたとえば次のようなものです。
・手ブレやピンぼけ ・目つぶりなどの失敗写真
・何が写っているかわからない写真
・暗くて被写体が見えない写真 など
次にどの写真がいいのかを選ぶ際、「子ども」の生き生きとした【表情】・【動き】が写っているか。また、「子ども同士」の【関わり】が写っているか。
【表情】【動き】【関わり】この3つの基準を総合的に判断し、写真選びをしていくと、選びやすくなるのではと思います。
日常の中で、どこに気をつけて撮影すると子どものいきいきとした姿を保護者に伝えていくことができるか、そのポイントを教えてほしい。
保育中のプロセス(過程)を伝えることをポイントに置き、写真に撮ったり、保育ドキュメンテーションを作成してみてください。
保育中のプロセスとは、下記のようなものです。
①子どもの姿(誰と誰が、どこで、何をしているか、子ども同士のやり取り、セリフなど)
②保育内容(保育の流れ、展開など)
③子どもの育ち(何を感じ、何を考えている?)
ICT化により、(保護者)配信用に写真を撮ることが増えたが、配信の性格上、顔がはっきりと分からないようにすることが多い。その上で、活動の様子が伝わるようにする撮り方が難しいので、コツを教えてほしい。
活動の様子を伝える際、保育者の“ここを伝えたい”というポイントを大事にしてみてください。
それが明確になるほど、相手に伝わる写真・ドキュメンテーションになっていきます。
そして写真をメインに出し、文章で補足説明(解説)をし、写真と文字の相乗効果を生み出していきましょう。
以上、よくある質問集でした。
参考になったでしょうか?
保育現場にたくさんの笑顔が増えることを祈っております。